法律関係

法律上の不倫(不貞行為)とは、配偶者のあるものが、配偶者以外の異性と、自由意思で、肉体関係を持つことです。

異性と肉体関係を持つわけですから、場合によっては妊娠する可能性があります。

一般的に不倫は当事者以外の第三者に知られないように行われるものでありますから、不倫関係にある男女双方が妊娠を望んで計画的に妊娠した場合を除けば、望まない妊娠であるケースのほうが多いと言えます。

しかし、実際に妊娠し、不倫相手との間に子供ができた場合に各当事者間の法律関係はどうなるのでしょうか?

不倫関係により妊娠するパターンとして一番多いのが「既婚男性と未婚女性の不倫関係で未婚女性が妊娠したケース」ですから、このパターンに絞ってご説明します。

出産する場合

この場合の法律上の関係者は、既婚男性、妊娠した未婚女性、既婚男性の妻の三人です。

その他、未婚女性の親など、未婚女性が出産することによって何らかの影響を受ける人もいますが、これらの人は未婚女性が不倫相手である既婚男性の子供を出産する場合における法律上の関係者とは言えません。

まず、妊娠している未婚女性がその子供を出産するか中絶するかは、その女性の自由です。

道義上の問題はさておき、法律上は不倫関係で妊娠した子供だから産む資格がないとか、未婚であるから子供を産んではいけないというようなことはありません。

また、妊娠した女性以外の当事者は、妊娠した女性に対して出産せずに中絶するようにお願いすることはできても、中絶するように強制することはできません。

次に、妊娠した未婚女性がその子供を出産する中絶するに関わらず、妊娠した以上、不倫相手である既婚男性との間に肉体関係があったことは明白です。

そのため、不倫相手である男性を既婚者と認識していながら肉体関係を持ち、不倫関係が始まる時点において不倫相手夫婦の婚姻関係が破綻していなかったのであれば、不倫相手である既婚男性の妻から不倫の慰謝料を請求される可能性が高いでしょう。

しかし、妊娠した未婚女性から不倫相手である既婚男性に対して、産まれてくる子供の認知を請求することは可能です。

そして、不倫相手である既婚男性が任意で認知をするかしないかは自由ですが、仮に既婚男性が任意認知を拒絶したとしても、家庭裁判所に認知を求める調停を申し立てることができ、DNA鑑定等により不倫相手である既婚男性と産まれてきた子供の間に親子関係が認められれば、不倫相手である既婚男性に強制的に認知させることが可能です。

なお、この不倫相手である既婚男性が行う認知に関して、その妻の同意等は不要です。

不倫相手である既婚男性が任意で産まれてくる(産まれてきた)子供を認知するか、裁判所により強制的に認知が認められれば、不倫相手である既婚男性と産まれてくる(産まれた)子供には法律上の親子関係が生じますので、扶養義務が発生します。

その結果、その扶養義務に関する金銭として、子供を出産した(出産する)未婚女性から不倫相手である既婚男性に対して子供の養育費を請求することができます。

つまり、既婚男性と未婚女性の不倫関係で未婚女性が妊娠し出産する場合は、各当事者から以下のような要求が法律上可能です。

  • 既婚男性の妻から未婚女性に対して、不倫の慰謝料請求
  • 未婚女性から既婚男性に対して、認知請求及び養育費請求

中絶する場合

次に、妊娠した未婚女性が子供を中絶する場合を説明します。

この場合も中絶したとは言いましても、既婚女性が不倫相手である既婚男性の妻から慰謝料を請求される可能性があることは上記と同様です。

一方で未婚女性が出産する場合と異なり、認知や養育費という問題は生じませんが、中絶するには手術費用や通院費用がかかりますので、これらの中絶に要する費用は妊娠した未婚女性とその不倫相手である既婚男性の折半が原則です。

つまり、既婚男性と未婚女性の不倫関係で未婚女性が妊娠し中絶する場合は、各当事者から以下のような要求が法律上可能です。

  • 既婚男性の妻から未婚女性に対して、不倫の慰謝料請求
  • 未婚女性から既婚男性に対して、中絶に要する費用半額の請求

なお、未婚女性が中絶したことで精神的苦痛を受けたとしても、不倫相手である既婚男性に慰謝料を請求することは原則としてできないとされてきましたが、現状では平成21年10月15日の東京高裁の判例によって慰謝料請求できる余地があります。

この判例において裁判所は、中絶は主に女性に精神的、肉体的な苦痛や経済的負担を与えるものであるので、男性はこれらの不利益を軽減又は解消するための行為を行う義務があるにも関わらず、男性がその義務を履行していない、あるいは女性と等しくこれらの不利益を分担しないことは、法律上保護される利益を違法に害するものとして、不法行為としての評価を受けるとして、慰謝料等で114万2302円の支払いを命じました。

上記判例によれば、中絶前後において男性が女性の苦痛を軽減又は解消する努力をしていたのであれば慰謝料を請求できないのですが、未婚女性が出産を望んでいたものの、不倫相手である既婚男性あるいはその妻が未婚女性に中絶をお願いした場合などは、解決金という名目などで金銭が支払われることはあります。

なお、この解決金は、法律上当然に支払わなければならない金銭ではありませんので、相場というものはありません。

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